目黒村山邸

	「日本でもアメリカの家を建てたいと思った」　Ｍ氏は、東南の角地にアパート併用住宅を建て替えた。白くペイントした璧、フローリングの床の室内は、シンプルながら西海岸の風が通り抜けるような心地よさが感じられる。観葉植物がリゾート気分を添え、ハワイが大好きだというのも伝わってくる。　アメリカの住宅の外観の美しい家の写真集「アメリカンハウス」を見ながら、アメリカの家を研究した３年間。イメージが具体的になっていった。
「ドア、窓、ドアノブに至るまで、すべて自分で選びたかった」　納得のいくアメリカンハウスを建てたいという強い思いから、資材を購入する方法を探すことにした。そして、探し当てたのが、ニューヨーク州北部に位置するアメリカのパネル工場で、デザインも行っている会社「ノーザン＆デザイン」の東京事務所。アメリカンリゾートホーム。「自分の希望するフロアプランを、アメリカのデザイナーが立面図を描いてくれるというのが魅力でした。ここに頼めば、思っている家ができるかもしれないと直感した」　この東京事務所がすすめているシステムは、「オーナービルド」。建築に必要な建材をアメリカのメーカーから購入し、現場での施工を専門業者を選別して建てるやり方。アメリカでは、ごく自然のシステムだという。
	「ラフがあがってきてから、この部分をこうしてほしいなど、FAXでやりとりすることで最終プランができあがった」　その過程で希望がとおること、設備やドア、　窓、ドアノブまで選べるシステムもよかった。「送られたカタログから選ぷとコンテナに入れて送ってくれる。アメリカの家に似合うものはアメリカに多いし、日本に比べて安価」外壁や内壁がパネル加工済みになっているパッケージで送られてくるため、現場の施工もスムーズ。窓やドア、断熱材、フローリングも全部パッケージ。施工は2×4工法の経験がある地元の建設会社に依頼。98年5月に着工し、基礎工事、根太を組み、パネルを組み立て、10月に親世帯、氏の自宅とアパート6世帯の1棟が完成。アパートもアメリカ製にこだわった。玄関ドア、キッチン、浴室などの水回りが全部必要だか、狭くても坪単価は高くなる。「設計、資材調達と建築を別にすることで・建築